こんにちは!伊藤(@hirokazuito0821)です。
せどり業界は、定期的に「これが稼げる」というブームが生まれては、だいたい1年くらいで淘汰されてきました。
新品がいい、中古がいい、ネット仕入れがいい、店舗せどりがいい。言っていることは毎年変わりますが、流行る仕組みも終わる理由も、実はかなり似ています。
2018年から2026年までの流れを振り返ると、短期的なノウハウに飛びつく怖さと、長く続く仕入れの形に必要な条件が見えてきます。古代の遺物になった手法も含めて、順番に整理します。
2018年:楽天ポイントせどり全盛期

2018年は、間違いなく楽天ポイントせどりの全盛期でした。今からせどりを始める人にとっては、インディ・ジョーンズのクリスタルスカルくらい古い手法かもしれません。
仕組みはシンプルです。楽天市場で商品を買い、その商品をAmazonなどで売ります。たとえば楽天で1万円で仕入れた商品をAmazonで2万円で売れれば、商品の売買益に加えて楽天ポイントも受け取れます。
当時は楽天のSPUによって、楽天グループのサービスを使うほどポイント還元率が上がる仕組みがありました。通常なら決済額の1%程度のポイントでも、条件次第では20%前後まで上がるケースがあったわけです。
ここから、だんだん変な方向に加速します。本来は商品そのものの利益を狙うはずなのに、楽天で決済してポイントを取ること自体が目的になっていきました。
商品については、Amazon、Yahoo!ショッピング、メルカリなどで赤字にならずに処分できればよい。現物の利益がマイナスでも、ポイント収支では利益率10%といった考え方が広がっていました。
ただし、この手法はポイントの税務上の扱いに対する認識も含めて成り立っていた側面があります。ポイントを利益として見るべきだという整理が強まると、うまみは薄れ、楽天ポイントせどりは急速に衰退しました。
新品店舗せどりの最後の勢いもあった
2018年には、新品店舗せどりもまだ勢いがありました。たとえばヤマダ電機のウェブサイトで日用品の取扱店舗を確認し、ヘルス&ビューティーカテゴリーの商品を仕入れる方法です。
せどり参入者が増える前は、こうした情報の差だけで利益商品を拾える余地がありました。しかし、これも当然ながらずっと続くものではありません。競合が増え、情報が広まれば、過去の遺物になっていきます。
2019年:セット本せどりブームと情報のばらまき

2019年はセット本せどりブームです。漫画や小説などをシリーズでそろえ、セットとして販売する手法が大きく広まりました。
セット本せどりそのものには、回転率を高める工夫や、シリーズをそろえるための管理ノウハウがありました。店舗仕入れのスクール内でコアなやり方を教えていた時期もあります。
ところが、この手法はあっという間に焼け野原になりました。原因は、無料グループで利益が出る本のリストまで配られるようになったことです。
これは種もみを全部食べてしまうような話です。小麦畑なら、全部収穫してしまえば次の年に植えるものがなくなります。利益商品を片っ端から公開し、参加者が一気に増えれば、仕入れ対象の価格は上がり、利益は消えます。
管理ツールのアフィリエイト報酬を得る目的もあったようですが、報酬と引き換えに自分たちが失う利益は釣り合いません。結果として2019年のうちに、セット本せどりはほぼ終わりました。短かったです。
2020年:コロナで店舗が止まり、ネット仕入れが広がった
2020年は世の中がコロナ一色でした。店舗が閉まり、店舗せどりそのものが停滞します。
その代わりに出てきたのが、セカンドストリートオンラインやブックオフオンラインなどを使うネット仕入れです。「ネットで仕入れよう」「卸を活用しよう」という情報商材やノウハウが広がった時期でした。
この頃に楽天ポイントせどりへ参入した人は、すでに終演間際の薄い利益しか取れなかったはずです。ブームの最盛期を過ぎてから入ると、だいたいこうなります。
2021年:中古せどり復活と古物市場仕入れブーム
コロナが少し落ち着き、店舗が営業を再開すると、中古せどりがまた盛り返します。そのなかで流行ったのが古物市場仕入れです。
店舗よりも上流の古物市場から仕入れればいい、という話は耳触りが良いです。実際に、店舗せどりをしていた人が情報商材やコンサルを買って古物市場へ流れる動きもありました。
しかし、古物市場はもともと閉鎖的なコミュニティです。すでにそこにいる人たちの人間関係で成り立っている場所へ、情報商材を読んだ初心者が一斉に入っていっても、うまく回るわけがありません。
さらに、「この商品が稼げる」という情報を初心者が共有すれば、その商品だけが参加者同士の競り合いで高騰します。利益が出ない、人間関係もしんどい。こうして古物市場仕入れブームも一瞬で消えました。
2022年:ジャンクブームと新品せどりの癒着仕入れ
2022年は大きく二つありました。ジャンク仕入れブームと、新品せどりの癒着仕入れブームです。
ジャンク品を直して売る
ジャンクブームは分かりやすいです。プリンター、ゲーム機などを仕入れて、クリーナーや洗剤を使いながら清掃や修理をして売る。手間はかかりますが、商品の価値を自分で回復させるので、やること自体は理解できます。
ただ、修理技術、検品、在庫管理、返品対応まで含めると、誰でも気軽に再現できるものではありません。
店舗担当者との関係に頼る仕入れは広がらない
もう一つが、新品店舗せどりで担当者との関係を作り、商品を回してもらうタイプの仕入れです。稼げた人はいたでしょうが、店舗数も担当者数も限られています。
全員が同じようにお願いして、同じように商品を確保できるわけがありません。限られた担当者との関係に依存する仕入れを、大人数向けのノウハウとして広めたところで、結局は競争が激しくなって終わります。
そもそも、お願いしすぎて全員指紋がなくなるほど手を揉むような仕入れを、長期の事業として考えるのは無理があります。
2023年:出張買取ブームと上流仕入れの現実

2023年は出張買取ブームです。「上流仕入れ」という言葉だけ聞けば、かなり良さそうに聞こえます。
一般の人が店舗へ売りに来て、その店舗がせどらーに売る。その一工程を飛ばして、個人から直接買い取ってネットで小売りできれば、安く買えて価格差を大きく取れる。理屈だけならその通りです。
でも、現実はしんどいです。
- 集客コストが先にかかります。ポスティングでも広告でも、問い合わせを1件得るためにお金が必要です。
- 資金がない人ほど始めにくいです。お金を作りたくて始めるのに、買取前の集客で先に支出が発生します。
- 営業力が必要です。訪問先で査定するだけではなく、追加で売れる物がないか聞き、交渉し、買い付ける必要があります。
ネット販売やせどりに興味がある人には、対人コミュニケーションが得意ではない人も多いです。その状態で出張買取という営業行為をやるのは、かなりハードルが高いです。
結果として、大半が途中で撤退しました。上流仕入れという言葉の気持ち良さと、実務の重さは別物です。
2024年:中古せどりデカモノブーム
2024年は中古せどりデカモノブームが起きました。オーブンレンジ、ヘルシオ、スポットクーラーのような大型家電を、軽自動車に積み込んで仕入れるスタイルです。
年齢も関係なく、多くの人が大型商品のリサーチと仕入れに向かいました。ブームになれば、みんな同じ棚を見て、同じ商品を触りに行きます。
ただ、デカモノはシンプルにしんどいです。運搬、積み込み、保管、配送、腰への負担まで、利益計算だけでは見えないコストが重くのしかかります。
実際に、無理な大型家電仕入れで腰を壊し、卸仕入れへ移行した人も少なくありません。デカモノブームは2024年に収束しました。
2025年:せどりプレイヤー激減期
2025年は、特定の新しい手法が爆発的に流行った年ではありません。むしろせどりプレイヤー激減期です。
店舗せどりの流行り廃りを見てきた人ほど、ネット仕入れや卸仕入れへ移行していきました。店舗を回り、自分で運転し、あるかないかも分からない商品を探し続けるやり方に、限界を感じる人が増えたわけです。
店舗せどりを客観的に見ると、仕入れやリサーチのために長時間店舗を回る行為は、効率面でも見た目の面でもしんどいです。店舗側の対策も厳しくなっており、昔より簡単に利益が出る環境ではありません。
2026年:店舗せどりイコール転売屋という厳しい空気
2026年に入って強くなっているのは、店舗せどりイコール転売屋という世間の見方です。
限定品や人気商品の買い占め、セット商品の一部だけを目的にして食品を捨てるような事例が話題になるたびに、転売行為全体への風当たりは強くなります。
その結果、せどらーも転売屋と同じ枠で見られやすくなっています。「自分たちは人の役に立っているから転売ではない」と言い張るほど、かえって印象を悪くすることもあります。
ここは感情論ではなく、外からどう見えるかを考えるべきです。店舗で商品を買い、利益を乗せて売る構図が、社会的に以前より厳しく見られているのは事実です。
せどりの流行が短命で終わる3つの理由
2018年からの流れを見ると、流行が終わる理由はかなり共通しています。
- 情報が広まりすぎます。利益商品のリストや再現性の低いノウハウが無差別に広がると、競合だけが増えて価格差が消えます。
- 供給や関係性には上限があります。店舗、担当者、古物市場の人間関係、地域の商品量には限りがあります。
- 実務負荷が見落とされます。大型商品なら運搬、出張買取なら集客と営業、ジャンクなら修理と検品が必要です。
「仕入れられる」という一点だけで判断すると危険です。継続できるか、競合が増えても成立するか、時間と体力に見合うかまで考えないと、ブームの後追いで終わります。
流行より、安定した仕入れの形を選ぶ
店舗せどりは、店まで運転して行き、商品があるかどうかも分からない状態で探し続ける、いわば狩猟採集です。今は店舗側も対策が厳しく、やっても稼ぎにくい状況になっています。
だからこそ、流行の店舗せどりを追いかけるのではなく、仕入れを安定させる方向へ考えるべきです。
こちらでは2023年から会員制の卸サービスを運営しています。利益商品を自宅へ届け、あとは販売に集中する形です。サービス開始から数年経っても勢いが落ちるどころか、会員数は500人を超え、流通金額も前年対比2倍ペースで増えています。
ブーム頼みの手法は、広まった瞬間に競争が激しくなります。対して、仕入れと販売の役割を整理し、継続して回せる仕組みを作ることは、短期ブームとは別の話です。
新品がいい、中古がいいという波はこれからも繰り返されます。ただし、流行を追うだけでは、また同じように消耗します。焦って店舗を回るより、賢く、継続できる仕入れを選びましょう。
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