再販価格維持制度ってなに?せどりやってて知らないと営業停止リスクあり!
こんにちは。
伊藤です。
今回は再販価格維持制度について解説していきますね。
簡単に言うと再販価格維持制度というのは、「本や雑誌といった著作物の販売価格を出版社が決めており、街の本屋さんやネットショップでは、この定価でないと本を販売してはいけませんよ」という制度なのです。
もっと簡単に言うと、新品本の価格はどこで買っても同じにするための制度ということになりますね。
本せどりをやっていると、新品の本を仕入れてプレミア価格でAmazonで販売したら儲かるのではないか?と思われるかもしれませんが、これはNGなんです。ここまでお読みいただいた方はお分かりいただけると思いますが、これは再販価格の維持制度に違反していますから。
今回はこの再販価格維持制度について実例を交えながらめちゃ丁寧に解説するとともに、Amazon物販をやる上での注意点についても解説していきます。本せどりでは必須の知識となる再販価格維持制度について一緒に学んでいきましょう。
目次
再販価格維持制度:本の価格は日本全国どこでも同じでないといけません
まずは再販価格維持制度について、それが一体どういう制度なのかを解説していきます。そして、どうしてその制度が必要なのか?もしもその制度が無かったとしたらどんな弊害があるのか?ということから、さらに理解を深めていきましょう。
再販価格維持制度ってなに?
まず再販価格維持制度について、Wikipediaの解説を引用します。
再販売価格維持(さいはんばいかかくいじ、英語: resale price maintenance)は、商品の生産者または供給者が卸・小売業者に販売価格を指示し、それを遵守させる行為。再販売価格維持行為(再販行為)、再販売価格の拘束とも称する。商品の供給元が小売業者の売価変更を許容せず、定価販売を指示すること。
再販売価格維持は、流通段階の自由で公正な競争を阻害し、需要と供給の原則に基づく正常な価格形成を妨げて消費者利益を損なうため、資本主義経済国家の多くは、独占禁止法で原則禁止している。例外的に一部商品は一定要件で再販行為を容認している場合があり、再販制度と通称する。
お分かりいただけましたでしょうか?
簡単に説明すると、生産者(メーカー)側が販売店に対して、「この商品の定価は◯◯円なので、特売セールをやって定価以下の価格で販売したり、プレミアになっているからといって定価以上で販売するのはダメです!」と定めている制度ですね。
主にAmazonを販売チャネルとして活用する「せどり」においては、この再販価格維持制度が適用されている商品は「本」ですので、以降は本の再販価格維持制度について解説していきます。
※以降は「書籍(本・雑誌など)の再販価格維持制度」について解説していきます。
どうしてこの制度が必要なの?無いとどうなるの?
再販価格維持制度が無い場合、本の安売り競争が行われることになります。これは容易に想像できますよね。
都心部は書店が多いため、書籍の価格は値下げ合戦のため安くなります。反対に地方では書店が少ないため、書籍の価格は都心部と比較して高くなってしまいますよね。
こうした書籍価格が地域によって違ってしまうことを防ぐことが、書籍の再販価格防止制度の目的なのです。この制度が無いと、教育に必要な教科書なども都心部と地方では大きく格差が生じてしまうため、教育といった側面からもよろしくはないですね。
Amazonでの再販価格維持制度を詳しく解説します
書籍の再販価格維持制度は街の本屋さんだけでなくて、Amazonや楽天といったネットショップにも適用されます。ここではAmazonでの再販価格維持制度について解説していきます。
Amazonでは再販価格維持制度が守られていなかった
せどりを行う場合、特に書籍を仕入れた場合の売り先としてはAmazonが中心になるのではないでしょうか?FBAといって、Amazonがあなたの代わりに受注から配送までを行ってくれる便利なサービスもあるのも理由のひとつですね。
実はAmazonでは長らく書籍の再販価格維持制度が守られていなかった、ということはご存知でしょうか?
つまり実に定価の2倍以上の価格でAmazonで販売されていたということになります。Amazonでは書籍の再販価格維持制度が守られていなかったのですね。
実はこれ、再販価格維持というのは独占禁止法という法律で定められているため、厳密に言えば独占禁止法違反という状態が継続していたということになります。
いつまでもこんな状態が長続きするわけではありませんよね。Amazonは2018年10月から是正に乗り出しており、Amazonで新品書籍を定価以外の価格で販売しているセラー全員に以下のようなメールが配信されました。
Amazonからのメール見落としてないですか?
出品者様
このEメールは、当サイトが出版社等より原則として再販契約の対象となっているとの連絡を受けている書籍が、定価以外の価格で「新品」として出品されている出品者様にお送りしています。
当サイトでは、適法な再販売価格維持契約(以下「再販契約」といいます)において定価販売の対象となっている書籍は、定価以外の価格で「新品」として出品することはできません。詳細につきましては、以下のコンディションガイドラインの「本」のセクションをご参照ください。
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/G200339950
つきましては、今一度、適切なコンディションでご出品いただいているかご確認いただきますようお願いします。
たとえば、未使用品であっても、当該商品につき適法な再販契約において定価販売の対象となっている商品であるにもかかわらず、定価以外の価格で出品される書籍は新古品に相当いたしますので、「新品」のコンディションではなく「ほぼ新品」のコンディションでご出品ください。
なお本案内以降も、定価以外での新品商品を繰り返し出品している場合は、出品の取消しや再販契約の締結有無を確認させていただく場合がございます。
お客様への適切な商品のご提供へのご協力をお願いします。
実はこれ大変なことなんです。
要するにですね、Amazonもこれからは書籍の再販価格維持制度を遵守するという意思表示なんです。
このメールを見落としていると最悪、アカウント停止といったリスクもありますので要注意です!
Amazonで再販価格維持制度に違反すると、アカウントはどうなる?
Amazonの規約に違反するとアカウント停止の可能性があります。というか、ほぼなると思って間違いはありません。
アカウント停止になると新たに出品できないだけではなくて、売上金の払込が行われなくなります。またFBA在庫となっている商品も当然ですがAmazonマーケットプレイス上で販売できなくなります。
つまりクレジットカード払いで仕入れをしている場合は、その支払日前日までにAmazonから入金を受ける必要がありますが、アカウントが停止になるとAmazonからの売上金の入金がストップしてしまうので、最悪の場合カード代金を支払うことができず、カードがストップし、あなたの信用に大きく傷が付いてしまいます。
中古「ほぼ新品」を駆使してプレミア価格で販売しよう
新品で本を仕入れて、定価を大きく上回るプレミア価格で販売したい場合、どうしたらよいのでしょうか?
答えは簡単です。
中古で販売すればいいんです。
中古コンディションであれば、その商品を仮に新品で書店から購入していようと、定価を上回るプレミア価格で販売してもいいんです。
例えば定価1,000円の雑誌を購入して、5,000円で販売してもいいんです。繰り返しますが、これは中古ほぼ新品での出品であって、間違っても「新品」で出品してはいけませんので、覚えておいてくださいね。
具体例としては以下です。
コチラの雑誌の定価は650円(税抜き)ですが、中古で新品を大きく上回る価格帯で販売されています。
とあるアイドルの人気が急上昇して、新品在庫が切れたため、このように中古相場が新品定価を大きく上回っているんですね。
再販価格維持制度が適用されている本、されない本がある!
実は全ての本や雑誌に再販価格維持制度が適用されるわけではなくて、再販価格維持制度が適用されない本もあるのです。ということは、この適用されない本というのは新品コンディションで定価を大きく上回るプレミア価格での出品ができるというわけですね。
再販価格維持制度が適用される本
まず再販価格維持制度が適用される本についてです。
本の価格はだいたいの場合、その背表紙に書いてあることが多いですが、ここに「定価」と書いてあれば、価格が定められているということですので、本の再販価格維持制度が適用されています。
お手元に本がある方は是非裏面を見てください。以下の写真のように「定価」という表記があるはずです。
再販価格維持制度が適用されない本
次に再販価格制度が適用されない本について解説していきます。これは簡単に言えば、付録つきの雑誌やムック本といった本以外の付録がメインの書籍ということになります。
もっと分かりやすく説明すると、バックやDVDといった付録がメインで、それにリーフレットや簡単な読み物などが付属している商品ということになります。こういった商品は本カテゴリーではないという認識のため、再販価格維持制度が適用されないのです。
コチラの写真をご覧ください。
写真中の赤枠部分にご注目ください。少し小さくて見づらいですが「価格」と書いてありますよね。
こうした商品は定価が定められていないので、新品で購入してそれをAmazonに新品コンディションで出品する場合、それをいくらで出しても良いのです。これは家電やゲームを仕入れる場合と同じですね。再販価格を何ら制限されることがないのです。
再販価格維持制度適用除外の本・雑誌を狙ったプレ値販売で利益を激増させよう!
書店の本コーナーで売っている商品の全てが、再販価格維持制度の適用対象というわけではありません。
「価格」と記載のある商品は、家電やゲームといった通常の商品と同じように、新品販売の際にいくらで販売してもいいんです。
つまり新品出品できる商品をあらかじめ知っておけば、書店でも効率的に新品転売可能な商品をリサーチ可能ですよね。以下で具体的な狙い目商品を解説していきますね。
ムック本
まずムック本です。
ムック本というのは大型のオマケ付きの本です。
例えばお弁当箱付きの商品や、大きなものだとパン焼き型付きの本もあります。こうした商品はほとんどが「価格」表示なので、新品で仕入れて、Amazonで新品コンディションで販売することが可能です。もちろん定価ではないので、プレミア価格など任意の価格を設定できます。
例えば以下のような商品ですね。
こういった商品ですが、インスタで芸能人が紹介すると一気に需要が跳ね上がるので、新品書籍せどりのチャンス到来!となります。
付録がメインの雑誌
ジャンプ流!という雑誌を知ってますか?
これは漫画家修行中の方が、ジャンプ連載のマンガのイラストを学べるDVD、リーフレット、オマケが付いている雑誌なのです。
表紙はこんなデザインです。コチラはこち亀が題材になっていますが、テーマになっているマンガの主人公が表紙に掲載されているので、プレ値になっている商品は表紙の主人公を覚えておきましょう。
右上には「価格 1,290円」という表記が見られ、定価表示ではないので書籍の再販価格維持制度の対象外ということが分かりますね。
何度も言いますが、この商品が仮にプレミア価格になっていたとしたら、書店で新品で仕入れてきて、それをAmazonに新品コンディションで出品しても何ら問題はありません。もちろんプレミア価格で販売してもいいんです。
ちなみにコチラの商品のメインは以下の写真中央のDVDなんですよね。これが写真左側のリーフレットはオマケというわけですね。ですので、書籍一般の「定価」表示はされておらず、「価格」表示なんですね。
ジャンプ流!の中には新品で表示価格を大きく上回る4,000円以上で取引されているものも多いです。バックナンバーが充実している書店で仕入れてそのまま新品で出品すれば利益が出る、そんな商品があるんです。
まとめ
- 再販価格維持制度とは、メーカー側がその商品の小売価格を決める制度のこと。
- 書籍は再販価格の維持制度の適用対象のため、定価以外での販売ができない。
- 定価を超える価格で書籍を販売する場合、新品として販売することはできず、中古(Amazonの場合は中古ほぼ新品)での販売となる。
- ムック本やDVDがメインの書籍などは「定価」表示ではなく、「価格」表示であるため、書籍の再販価格維持制度の適用対象外となる。
- そのため、新品で仕入れて、Amazon新品コンディションで表示価格を大きく上回る価格で出品したとしても何ら問題ではない。
今回は書籍の再販価格維持制度について解説しました。
私はせどりを始めた当初、新品本はプレミア価格で出品してはダメという認識しか無かったのですが、それは「定価」表示の書籍の場合だけなのです。
是非当記事で、本制度について理解を深めて、書店で「価格」表示のプレミア商品を見つけてみましょう。新品コンディションでそのままAmazonに出品するだけなので、手間もかからず中古ほぼ新品よりも高値で売れることがほとんどですよ。
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