商売の基本!利益率の考え方を元貿易課長が徹底解説
こんにちは。
伊藤です。
このブログの親愛なる読者の皆様のほとんどが、せどり初心者の方だと思います。
今回はせどりに役立つ知識として、粗利率の考え方を徹底解説します!
ご存知の方も多いと思いますが、ボクの前職は中小メーカーの貿易部門の責任者をしていました。部門といえば聞こえは良いですが、メンバーはボクとスタッフ2名の3名所帯で回していました。
貿易の仕事は自社の商品を海外に売ったり、海外から日本で売れそうな商品を買い付けたりという仕事がメインになります。
例えばボクが輸入してきた商品が国内で毎月100万円売れていたとします。だけどこの商品は海外で買ったときの金額が50万円だったんですけど、関税だとか送料だとか加えたら何だかんだで97万円くらいになったんです。
そうしたら毎月の売上100万円のうち、利益(粗利益)は3万円しか無かったんです。割合にしたら3%です。100万円のうち3%しか利益がありません。
これはたとえ話じゃなくて、ボクが駆け出しの頃にやらかした実話なんです。もう今思い出しても恥ずかしい失敗談ですよ。全く利益の計算とか考えずにバンバン仕入れていたんだから、恐ろしいもんです。ボクが働いていた会社は個人の裁量が恐ろしく大きかったので、今思うと絶対にやらないような仕入れもしていました。
これは輸出入の話ですけど、「せどり」も同じだと思いませんか。ブックオフで100円の雑誌が売ってました。Amazonで400円で売れそうです。皆さんこれを仕入れますか?
ボクなら絶対に仕入れませんね。
- 本をクリスタルパックで梱包する費用
- Amazonへの送料
- Amazonへ支払う手数料
これらを加えると手元に残る利益は、50円くらいしか無いと思います。これでも仕入れますか?この雑誌。
だけど初心者の方は、こういう雑誌仕入れてしまうんですよ。もう少し金額高くして、1万円の電子辞書を仕入れて、1万2千円でAmazonで売ろうとしたりします。これって見かけ上は2千円利益があるように見えますが、送料とか手数料とか差し引いたらほとんど手元に残りません。
結局、会社での仕事でも「せどり」でも、モノを仕入れて売るということに変わりはありませんので、利益をきちんと考える必要があります。昔のボクのように何となく仕入れるのではなくて、きちんと利益計算して儲かる商品だけ仕入れなければいけません。
それでは、どうやって利益計算すればいいんでしょうか?
今回は商売の基本中の基本である、荒利益について解説しながら、「せどり」で役立つ利益計算の方法まで解説したいと思います。
知ってますか?利益には2種類あります
八百屋のような個人商店でも、会社でも、皆様がこれから(もしくは今)取り組んでいる「せどり」でも、儲けを出すことが必要です。
この儲けっていったいなんでしょうか?
儲けというのは、利益とも言えます。つまり儲けているというのは利益が出ている状態のことを言います。
ここで利益について少し解説します。
利益には荒利益と利益(営業利益)の2種類があります。
「せどり」を例に解説します。
- ブックオフで100円の雑誌を仕入れました
- Amazonに出品して1000円で売れました
- Amazon手数料が300円かかりました
粗利益=売上ー売上原価 です
荒利益というのは、よく「粗利(あらり)」と呼ばれています。商売をやる上でざっくりした利益のことですね。経費とかは全く計算に入れていない数字になります。
売上原価というのは、商品の材料費(仕入値)みたいに捉えればOKです。
売上がAmazonで販売した価格、売上原価が商品の仕入価格になります。したがって粗利益は、1000円ー100円=900円となります。
粗利率というのは売上高に占める粗利益の割合ですので、900÷1000×100=90% となります。
ほとんど利益じゃん!と一瞬思いますよね。だけどAmazonで販売するときに必ずかかってくる経費であるAmazon手数料を全く加味していないことに注意してください。
悪質な情報発信者の方は、ここでいう90%の粗利率のことを、「利益率90%です!!」とブログに書いて大々的に宣伝したりしています。
利益率という言葉にも注意が必要です。営業利益率なのか粗利率なのかわからないと、その数字がいい数字なのか、大したことないのか判断することができません。
「せどり」でAmazonを使わずに、野菜の無人販売のように自分の家の前で仕入れた商品を無人販売している場合は、この数字を利益率といってもまぁいいとは思いますが、実際はAmazonを使っていますよね。誰も野菜の無人販売のように本を売ってませんよね(笑)ですので、このAmazon手数料などを加味して利益を考える必要があります。
こういった場合次の項目のように、営業利益を求める必要があります。
営業利益=粗利益-経費
先ほど粗利益として出てきた900円から経費を引いたものが営業利益となります。営業利益というのは粗利益から商品を売るのに必要な経費を差し引いた後に残る利益のことです。
「せどり」の経費ってどんなものがあるでしょうか?
- Amazon手数料
- Amazonに納品するときの送料
- 仕入れのガソリン代
- FBA納品するときの段ボール代
- FBAラベルやプリンターのインク代
パッと思いつくものだけで、これくらいあります。
だけど少し考えてみましょう。Amazonの手数料は売れた商品1つあたりいくらというように出ていますが、仕入れのガソリン代や、Amazonに納品するときの送料などのその他の項目については、1商品あたりいくらという金額を算出するのが難しいです。
「せどり」の場合は、営業利益を計算するための経費はAmazon手数料だけを計上しておけばいいでしょう。
厳密に計算することもできますが、時間ばかりかかって無駄ですから。もちろん企業だったら、きちんとこういった数字を計算しますし、大企業であれば専用の部署もあります。
さっそく営業利益を計算してみます。
先ほど求めた粗利益(900円)-Amazon手数料(300円)=600円
この600円が営業利益になります。
※あくまでも「せどり」の営業利益としてご理解ください。
営業利益率というのは、売上に占める営業利益の割合ですので、1000円の売上のうち600円は60%になります。
せどりで大事なのは営業利益
ここまで粗利益と営業利益について解説してきました。
「せどり」で大事なのは粗利益と営業利益どっちでしょうか?
答えは営業利益です。
粗利益はAmazonの手数料という必ずかかる経費を計上していないので、あまり意味はないです。
せどりで目標とすべき営業利益率は?
「せどり」で目標とすべき営業利益率はどれくらいが適切でしょうか?
利益が出ているのであれば、10%でもいい!という人もいるかも知れません。確かに利益率が低くてもその分売上が多ければ収入は多くなります。
売上300万円。利益率10%。収入は30万円です。実際には、ここからガソリン代や、送料やその他資材の経費を引きますので、手元に残るお金は27万円くらいだと思います。
せどりで売上うん百万円というような、コピーでコンサルを集客しているような人たちは大体こんな商売をしています。ボクはあまり好きではないですね。こういう薄利多売は。
実際コレってボクの月収とほとんど変わりませんよ。ボクの場合は売上75万円ですが、利益率が35%以上あるので、月収は27万円になります。
「せどり」で目標とすべき営業利益率は仕入れる商品によって変わってきます。
ボクのように利益率の高いジャンルである本をメインに扱う場合は、利益率25%以上を目標にしましよう。
ホームセンターなどで電球やDVDなどのブランクディスク、その他消耗品を仕入れる場合は、利益率15%以上あれば合格ラインだと思います。
いずれにせよ利益率10%を下回るのはNGです。これだけは絶対に避けてください。
理由はこの利益率の計算方法では、ガソリン代やAmazonへの送料などが計算されていないからです。利益(せどりの営業利益)からさらにガソリン代や資材などの諸経費を差し引く必要があります。
このとき利益率10%を下回っていると、収入として手元に返ってくるお金が少なくなり、最悪こういった諸経費を支払うと最終的な利益がマイナス(赤字)になる場合があるからです。
まとめ
今回の記事では名前は聞いたことはあるけど、イマイチよく分からない粗利益と営業利益について解説しました。
「せどり」でもきちんと利益と利益率を意識した仕入れをしないと、手数料・送料などを差し引いたら最終的に赤字だった!ということが起こりかねません。
自分がメインで仕入れる商品は何で、目標とする利益率は何%くらいなのか?一度考えてみてくださいね。
何かまだ良くわからない!っていう方は、お問い合わせフォームからドンドン質問をお寄せください。直接メールもしくはスカイプで個別レッスンいたしますので。
それでは今日はこのへんで。
長文でしたが、お読み頂きありがとうございました。